【Q&A】借入のグレーゾーン金利とはどういうものですか?

Q.いつの頃からか、「グレーゾーン金利」という言葉を見るようになりました。ただ、意味がよくわからないので、どういうことか教えてもらえませんか?

A.まず、2010年以降は、グレーゾーン金利のある契約を新規で行っている正規業者はないということを理解してください。法律の改正によって、グレーゾーン金利というものは撤廃されています。

さて、本題に入りますが、この金利の意味を知るためには3つの法律の存在を理解する必要があります。「利息制限法」「出資法」「(旧)貸金業法」の3つで、それぞれに利息の上限について書かれています。

まず、「利息制限法」で、金銭の貸し借りを仕事にしている業者は金額によってこの法律の金利を守るように規定しています。これを超える金利は無効ともしています。

一方で、「出資法」という法律が年29.2%を超える金利で貸金業をしているものは法律違反として罰するとしています。この規定によって、「利息制限法」を上回る金利でも、「出資法」の29.2%以内であれば法的に罰せられることはないという矛盾が生じます。

旧貸金業法、正式名称を「貸金業の規制等に関する法律」には、貸金業者が契約後すぐに書面(契約書)を交付して、契約者が任意に支払った利息に対してすぐに受領書を発行する、出資法の範囲内の利息は「みなし弁済」とする、というなんともややこしい条文があります。このため、多くのサラ金などが契約金利を上限の29.2%の設定することとなり、利息制限法との数字との差を「グレーゾーン金利」として取り扱うことになりました。

その後、裁判例などが影響して、上に書いた旧貸金業法の規定は削除、利息の上限は利息制限法に従うこと、出資法の上限が29.2%から20%に引き下げられたことなどで、「グレーゾーン金利」自体が消滅しました。

今、過払い返還請求などを行っている人たちは、この「グレーゾーン金利」で支払わなくてもいい分の返済額を負担させられたとして、その払いすぎた分を返還するように業者へ請求しているわけです。

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