【ご質問】老後を物価の安い海外で優雅に暮らすことは可能でしょうか

Q.私は老後は国民年金が主な収入になります。しかし国民年金だけではとても生活費が足りそうも有りません。そこでこの前にTVで紹介していた老後を海外で優雅に生活しているご夫婦を思い出しました。私も日本で生活が出来ないのであれば海外に行こうかなとの考えが頭に浮かんでいます。老後になって日本を捨てるようで何か後ろめたいところも有るのですが、この話は本当にある話なのでしょうか。TVのやらせとかではなく可能な話なのでしょうか。

A.これはやらせではありません本当の話です。世界の国の中ではこのような需要を狙ってリタイアメント・ビザというビザを発行しているところが有って概ね55歳以上で利用できます。これを利用すれば1回で4年間滞在することが出来、短期の就労も許可している場合もあります。どの国を選ぶかは現地の生活費を見て自分の年金額で生活していけるところを選ぶことになります。上手く選べばメイド付の優雅な生活も可能と言われています。

日本で老後を過ごす場合、夫婦で生活費は月々28万円かかると言われていますが、海外の場合この半額でも十分生活していける国は沢山あります。そこで利用を考えている場合には早いうちにまずは下調べから始めましょう。どの国がどの程度の生活費で生活していけるのかと言う点を調べます。色々と調べて1国に絞ったらこんどは観光ビザを使って実際に現地に行って自分の目で生活環境を見てくるようにします。日本に居ては分からないことも多いので必ず現地を見てくることを勧めます。

また実際に現地に移住している人の話を聞く事も大変参考になります。たとえばば寝たきりになった時にどのような制度が利用できるかなど、行ってしまってから深刻な問題に気付いても遅いので、何でも聞いて事前に問題を洗い出して、無理そうであれば、また別の国を探してください。年金生活になったらすぐに移住したいという場合には、50代の頃から準備を始めて出来るだけ時間をかけて自分にとって最も合っていると思う国を選びましょう。

ただし落とし穴もあります。まずリタイアメント・ビザを取得するためにはある程度の預金が無ければなりません。また現地の物価がいかに安いからと言っても、そもそも国民年金自体の金額が低いことが問題なのですから、現地に行っても余裕が有るとは言えない可能性もあります。さらに外国為替の問題もあります。日本円が円安に向かえばその分現地通貨に対して年金は目減りしたことになります。移住を決意する前にこれらの点についても検討する必要が有ります。

しかし、この回答をしていてつくづく思うのですが、今まで日本のために頑張ってきた人が老後をその日本で生活できず、海外にへの移住を考えなければならないというのはどういうことなのでしょうか。我々はどこで間違ってしまったのでしょう。特に年金政策に携わってきた人は猛省してもらいたいと思います。また今後は日本人が終の棲家を日本に求めることが出来るような年金を含めた社会保障および経済政策を行ってもらいたいものです。

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