【教えて】休眠会社を抱えていますが正式に解散する必要が有りますか

Q.40代に設立した会社が上手くいかず、10年ほど休眠状態になっています。法的にどのような扱いになるのかはよく知りませんが、このまま放っておくと私が生きているうちは良いですが、万一の時には息子が何かトラブルに巻き込まれるのではないかと心配しています。やはり正式に解散しておいた方が良いのでしょうか。それとも何か休眠会社と言うことで特殊な方法が有るのでしょうか。最も良い方法を教えて下さい。お願いします。

A.こういうケースは非常に多く、会社の経営が上手くいかず休眠会社になってしまう事は珍しいことではありません。ただ40代で設立して10年ほどと言うことですから、何も活動していないからあなたが休眠と言っているだけで、法的にはまだ休眠会社にはなっていませんね。法的にいうと休眠会社はその会社に関係する直近の登記から12年が経過した場合を言います。したがってあなたの会社は休眠会社に近づいているだけでまだ休眠会社ではありません。

休眠会社は何か問題なのかと言うと、まず一応登記していますから、会社の名称を同一地域や同一業種の他の会社が利用することが出来ません。誰もが目を引くような会社名を抑えられてしまうと休眠中であっても利用できず経済活動に悪影響が出る可能性が有るわけです。また休眠会社を利用して悪事を働く輩もいますから、犯罪に利用されてしまう事にもなりかねません。したがっていつまでも残しておくとこれ等の問題に遭遇するかもしれません。

ただし、直近の登記から12年が経過すると法務大臣から2か月以内に解散していないことを改めて登記しなければ解散したとみなす旨官報に記載が載ります。したがって自分で解散するまでもなく、12年たてば勝手に解散したことになる訳です。官報なんて見たことが無いという人が多いのでそれでは分からないという人もいますが、この官報に記載が載った場合登記所から休眠会社に対して連絡されるようになっています。ですから住所さえ登記した時のままなら、解散されることは分かる筈です。

事業を止めて間もないのであればトラブルを防ぐために、自分で解散手続きをすべきだったかもしれませんが、あなたの場合には既に10年程が経過しているわけですから、待ってもあと2年程度で解散になります。ですから、あえて自分で手続きをする必要もないのではないでしょうか。解散手続きをするしないは自分で判断すべきですが、あなたの場合には、あまり必要性を感じません。息子さんには一応経緯程度は説明して、もう解散になる旨話しておきましょう。

あなたの場合はそれで問題解決ですが、休眠状態で今後活動を再開する予定の場合、もし12年を経過して解散されてしまっても、その後3年以内に株主総会の決議が有れば継続させることが出来る規定になっています。したがってもし登記所からの連絡を見落としてしまったとしても、復活させることが出来ます。ただしこの3年も経過してしまってから気が付いた場合には、もう戻すことはできませんので、その気が有るのであれば、休眠中とはいっても会社がどうなっているか程度は時々注意しておきましょう。

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